これから、楽しみとして落語会を開こう、という方のために、その方法を具体的に書いてゆきたいと思います。
あくまで、趣味として落語会を開く場合です。最近はやりの言葉で言うと「プチ席亭」です。
その旨、ご了承ください。
ちなみに、「プチ席亭」とは、小さな落語会を自分で主催するような人のことです。
2016年のこの記事が語源といっていいでしょう。
落語家さんを呼びたい 大人女性がはまる「プチ席亭」(NIKKEI WOMAN SMART)
…落語会をやりたいとお考えですか。
さて、どういう理由で落語会をやりたいと考えているでしょうか。
家から近い場所で生の落語を聴きたいと考えた。
余興として呼ぼうと考えたから。
落語ができそうな良い空間があった。
家から歩いてゆける場所で、生の落語を聴きたいと思った。
な る ほ ど。
落語会を開く理由はいろいろあると思います。
ただ、その理由が「落語家が・落語が好きだから」という場合は、少し立ち止まって考えてみてもいいかと思います。
実は、落語会を開くのってけっこう大変なんです。
まず、お金がかかる。
会場が必要。
お客様を集めなければならない。
落語家さんや周囲と交渉が必要。
当日の運営がある。
落語を聴くまでの道のりが、観客として客席に座って落語を聴くよりはずーっと大変なんです。
その分よろこびも大きいわけですが、落語そのものと向かい合うより「周辺の人・もの」と向かい合う割合のほうが大きくなります。
そういう交渉ごとや接客などをサークル活動や仕事などでこなした経験のある人はともかく、そういうことが不得手だったり経験が少ない人の場合、落語を聴く・聴いてもらう喜びよりも、そういう周辺のことで神経をすり減らしてしまって、結果、落語を嫌いになってしまうことがあるかもしれません。
今まで、そういうことで開いていた落語会をたたみ、落語を聴くのもやめてしまう人も見てきました。
できれば、そうなることは避けてもらいたいんです。
あと、ぶっちゃけた話、落語会を主催する側になると、落語会の見方・関わり方が変わってしまいます。
この人は自分がやっている落語会に呼ぶことができるかな。ギャラはいくらになるかな。どうやって交渉すればいいのかな。
宣伝はどういうふうにやっているのだろう。この落語会の狙う客層は。
スタッフの動きはこれでいいかな。照明は。音響は。空調は。等々、重箱の隅をつついたような見方になる。
そういう要素をチェックすることが、落語を楽しんでいても頭の片隅にこびりついて離れなくなる。
異なる楽しみ方ができるとも言えますが、一方で、語りそのものを純粋に楽しみづらくもなります。
落語を聴くことだけ好きだったら、観客のままでいる、というのもひとつの手段かもしれません。
遠くに行くのが面倒だとしても、観光ついでに落語会に足を運ぶほうが楽しいかもしれません。
あと、近所のホールでの落語会のアンケートに「**さんを呼んでください」とはっきりくっきり書いてお願いする、という方法もあります。観客としての正しい主張です。
そ れ で も。
落語会をやりたい、と思ったら、まずは良い観客になりましょう。
そして、観客だけではいられない、と思ったら、覚悟を決めて落語会を開きましょう。
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煮卵 (土曜日, 20 10月 2018 22:09)
色々な落語の会を主催されてる方で常識ない人います。個人情報の扱いとか、ビジネスメールとか、ダメダメな人。プチ席亭さんの方が、へんなプライドとか選民意識なく、熱意も愛情もあるという場合もあるのでは?
(か) (火曜日, 30 10月 2018 13:48)
煮卵さま コメントありがとうございます。会社の事務作業、けっこう落語会の運営に役立ちますよね。